小さな農業改革 [1] 〜農業を「楽しく」する〜

農業がやり方次第で面白くなる理由

サラリーマンの多くはほとんどの場合、自分一人で判断し、物事を即決することはできません。

蘭裕園

また、会社の方針と異なるような、自分が好きなことをやりたいように進めることもできないのが普通です。私も普段よくあることですが、話を取りまとめる際、ある条件の交渉などに対し即答できず、会社に持ち帰って検討し翌日回答する、という事がしばしばあります。例えば、急ぎの場合など、経営者にとってはその場で決めてしまえばまとまる話でも、その機会を逃し明日になってしまうと即決できないことに対しまどろっこしく感じられることもよくあります。

これに比べ、個人の経営者(農業)では、何をいつどのような姿に作っても自由で収穫時期や販売の仕方についても全て自分で決めることも可能です。自分の意志で自由な経営を可能にする、それが農業です。 良くする事も悪くすることも、楽しくすることも苦しくするのもどうにでもできる、それも農業です。

農業の未来は小学生がカギ

将来、農業が発展させられるかどうか、よくするのも悪くするのも、その大部分は、子供の頃に自然やその中の生き物等に興味を持たせられるかどうか、が鍵となると考えています。

蘭裕園

例えば、野菜工場などでの生産は別として、大人になってから農業をやろうと考えても、トカゲやナメクジ、ゲジゲジなどが大嫌いな人は、自然の中で農業を行う事は難しいのではないでしょうか。 以前、農水省の主導の元、「人・農地プラン?」という題で各地域の状況に合わせた農業振興策を提案させる会議があり、私の街でも行われました。 そこで、私は、「農業がうまくいかず、衰退していく理由はそれがやれる人を育ててこなかったことが原因だ。同時に介護・建設その他多くの人が重労働と思う仕事も同様だ」と発言しました。そして、その改善策として主に小学生を対象に、子供の頃から植物に興味を示すような色々な仕掛けをして大変で人が嫌がるような物事でも喜んでそれを行える人を育てなければ絶対によくならないだろう、しっかりとした考えを持つ子供達が大人になり社会に出て活躍するとき、ようやく日本はよくなり始めるだろう、とそう話したことを今でもはっきりと覚えています。 後にこの話は、市の上役にも伝えましたが、その後どのような施策を行ったのか、行っていないのかは分かりません。 この考え方は、今でも変わることはありません。


コラム筆者:山本裕之

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