農業によって育まれる感覚

農業のような自然と直接かかわる仕事を長く続けていると、「生物界のルール」や「自然の法則」が感覚的にわかるようになり、また自然界で起きている変化も敏感に感じ取れるようになります。

そのような日々の経験を積み重ねることによって、5年10年先に起きるであろう自然災害や場合によっては経済の動向も漠然とわかるようにもなります。

私が自社の農場で起きている変化を見て以前から危機感を感じているのは、気温の上下の振れ幅が年々大きくなってきている事などから、近い将来予想も出来ないような大災害が起こり、主要作物が収穫できないなど世界的食料不足に陥る可能性があるということです。※参考 近年に多い障害と対策

そのような食糧危機は紛争をもたらし、最悪の場合大きな戦争にまで発展する可能性もあるからです。

農業は単に食べ物を生産し販売するだけではなく、自然界の変化を誰よりも早く察知し、それにいち早く対応することも可能な素晴らしい仕事でもあり、人間が本来持っている「感覚」という潜在能力を引き出すのにも有効な仕事で時代の最先端を行くものだと考えています。

自給的農業のすすめ

ジャガイモいっぱいできたね!

近年の急速な環境の変化を考えると、日本の農業と農地の問題を規模拡大という一方向だけで解決するのは無理だと考えています。私は近い将来、世界規模で食料不足が起こることを想定しています。今は農業と表現するにはほど遠いレベルのものでも、もしもあなたが小規模な自給的農業(個人農)を行なっていれば、いざという時には家族だけは飢えさせなくて済むことでしょう。将来、起こりうる危機を想定すれば、大規模化のみならず農業形態の多様性を模索することが不可欠です。

小規模、自給型個人農の普及は、耕作放棄地の減少にもつながると考えています。 大災害や戦争が起こり、食料不足から世界中がパニックにならないことを願うばかりです。


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コラム筆者:山本裕之

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