ドラマチック農業のすすめ [1] 〜持ち主が異なる小さな畑の利用法〜

私の暮らす町には武石という農業地域があります。近くには幕張副都心、インターチェンジのほか、住宅地もたくさんあり、子育て世代も多く暮らす便利な場所です。このような好立地にありながら残念なことに、持ち主が異なる小さな畑が混在し、効率の良い生産が出来ません。最近は貸し農園としても使用されているようです。地価の高い都市部に混在する小さな畑をひとまとめにするのは難しい事です。このような、一見不利な条件でも成立し、みんなの笑顔が見られるような楽しい農業のあり方を考えてみました。

畑の所有者にはそれぞれ異なる種類(品種)を栽培してもらい、収穫できる時期に合わせてその位置(畑の場所)を地図を作って表記します。その際、野菜を探す手掛かりとしてなぞなぞやクイズなどを取り入れ、収穫する野菜を当てるなど、ゲーム感覚で楽しんでもらうのもよいでしょう。

これにより、トマトやキュウリがどのようになるのか、ニンジンやジャガイモがどんな葉っぱをしているのかなど知ることもでき勉強にもなります。もしかしたらこれがきっかけで将来この分野で活躍する人が出てくるかもしれません。 この他にもザリガニが釣れる、トンボがたくさん見られる場所など、近くの自然と関われるポイントもコースに取り入れるとより楽しくなりそうです。その他子供たちが野菜に興味を持つようなキッカケをたくさん考えることが理想です。対象の畑には旗などで明記するとよいでしょう。

この際、何がいくらとか細かいことはいわず、カゴいっぱい好きなものを好きなだけ、何をとってもよしとし一部高額な野菜に関しては収穫の上限を決めるなどのルールを設けるのもよいでしょう。これならば市場などで問題とされる規格などは問題とならず、いびつなトマトやキュウリでもOKです。また出荷のための経費も必要とせず、一石二鳥というわけです。複数の農家が参加する場合は色々な種類を年毎に輪番で栽培し、売り上げは面積に応じて分配するというのも一つの方法です。道の駅や農産物の直売所などを拠点にしても面白い展開が出来そうです。収穫した野菜をその場で食べられる設備などがあれば、もっと楽しくなりますね。


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コラム筆者:山本裕之

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