ドラマチック農業のすすめ [6] 〜農産物のブランド化を成功させるために〜

私の経験から

農作物のブランド化_1

近年農産物、水産物においても、ブランド化の動きが活発化しています。主な目的は他と差別化し販売を促進するためのもので、一部の果物や畜産物などかなり多くの品目で成功しています。

生産者や団体の方たちの中にはブランド化するために名前を付ければ他と差別化でき、売れると思い込む人も多くいます。 以前私は、2012年の市の農業振興会議で、他の人からブランド化という言葉が出た際、私は「ブランド化するのがよいのではなくて良い物を作るからそれがブランドになるんだよ、一番大切なのは良い物を作ることだ。」という内容で発言しました。 現在は農作物において差別化するのが難しいほど多くの自称ブランドがあり、今から経験や戦略を持たずにブランド化を目指しても得策となりません。

一般には、商標登録とあわせてブランド化するのが普通です。ブランド化の成功例を知って商標を取って他と違う名前を付ければ売れると思うのは間違いです。 商標登録は他と明かに区別できるくらい良い物の場合は、非常にプラスに認識されますが、区別できないか他よりも劣るような場合、○○はダメ、という悪評を広めることにもなり、このような場合では大きなマイナスとなってしまいます。したがって、農家がブランド化 (商標登録など) を図るには、普通より明らかに違う物 (通常は質の良い物)であるという事が、うまくいく最低条件なのです。

農作物のブランド化_2

以上を踏まえたうえで、通常とは違う名称を付けて差別化をする時は、農産物においても既にたくさんのブランドがありますから、分かりにくい名称は避け、楽しい、あるいは笑える、また覚えやすいなど気の利いた名称のほか、生産する地域や地名などを上手に組み入れるのも良いでしょう。他からの便乗や模倣品を避けるためには商標登録することも必要です。

さて、今から20年以上も前、平成に入って問もない頃のことです。私はバイオカプセル育苗ちゃん、ミニミニランランなど自分が品種改良した作品群を他のものと区別するため、夢ちどりという商標を特許庁に申請しました。今では当たり前となった花卉類の商標登録ですが、当時は、ガーデニングブームをけん引し園芸界に多大な貢献をしたこと事で有名なサフィニアと、この小さな小さな夢ちどりくらいでした。夢ちどりは草花の商標登録がまだ一般化する前の最も早期の成功例の一つです。

それまで園芸植物は品種名や系統名などで区別するのが普通で、一般には商標という認識がなかった時に、花卉類に商標をつけるという事は、当時その後の園芸の流れが読めなかった大多数の人達には理解することが出来ず、けしからんとかなりのバッシングを受けたことを覚えています。 そもそも夢ちどりは、自分が開発した品種その他があまりにも多いため、あえて個々に名称はつけずに作品として認識してもらうためにつけた名前でしたが、結果的に20年以上続く蘭裕園のブランドとして認知されています。

夢ちどりだけでなく、ミニミニランラン、バイオカプセル育苗ちゃん他も販売促進のためではなくみんなに作品を楽しんでもらいたいという理由でつけた名前でしたが、結果的に他と差別化できるブランドになったということです。


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コラム筆者:山本裕之

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