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ドラマチック農業のすすめ [8] 〜品種改良のすすめ パート3〜

優良品種は神様からの贈り物

以前にも書いた通り、生き物はもともと色々な要素を持っているため、特別な操作をしなくても他とは異なるものが出て来ることがよくあります。後世にまで残るような優秀品種の多くは、このようにして誕生したまさに神様からの贈り物です。

特定の種類を何十年もかけて一生懸命に育種をし、実際にいくつもの優良品種を開発した人たちの中には、自分の能力だけで新しい品種群を作ったとは思っていない人がたくさんいます。私をはじめ、自分が作ったのではなく天が与えてくれただけだと言う人も少なくありません。そして面白いことに同様のことを言う人は植物の開発だけに限らず、芸術や自然に関わる私の知り合いたちの中には何人もいるのです。 (私の他、実際にかなり頭をやられている数人も含む。)

私も天からの授かりものと強く感じている一人です。私が過去に行ったすべての交配は、種子固定の安定した品種を目標に、過去の記録から計画的に育種をしています。そのため想定から大きくぶれるようなことはほとんどありません。しかしたくさんの実生を開花株にまで育てると、予想を遥かに超える優良個体が偶然に出現してくることがしばしばあります。このように天が授けてくれた偶然の産物によって、さらに上のものを目指すことが可能になるのです。

以前、果菜類の育種家として有名な同級生の関ちゃんと話をした中で、「私の場合は天が偶然に与えてくれたものを利用しているだけにすぎない、自分の力だけでは大した花は作れない」と、話をしたことがあります。すると、関ちゃんも「お前もか!実は俺も育種はかなりの偶然に左右されると考えていて、新しい交配の種まきをする日は必ず大安吉日と決めている」と言うのです。 また、人と関わるのが苦手なため、あまり知られてはいませんが、日本で改良されたかなり多くのクリスマスローズの礎を築いた丹ちゃんの場合も、驚いたことに「夜枕もとで理想の組み合わせを誰かが教えてくれ、実際の交配の時にはその通りに自然に手が動く」と言うのです。 私の場合は、今までになかった全く新しいタイプの花が生まれる時には、交配する時点で普段とは違うときめきがあるため、それの出現がわかってしまうのです。

私の知るところではランの場合、素晴らしい花を生み出す交配親となるような優良個体の多くは、考えて作出したものではなく偶然に出てきたものと考えています。

本当のところ、人が頭で考えてできる花などは、たかが知れています。多くの人に感動や楽しみを与えられるような素晴らしい花は天が与えてくれたものであると感じています。

そして面白いことに後世にまで名を残すような素晴らしい個体は、金儲けだけを目的に花を作る人の所に出ることはほとんどありません。心から花が好きで大切に育てる人の所には、かなり高い確率で現れてくるというのが真実です。これにはしっかりとした理由があるのですが、それはまた別の所で…。


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コラム筆者:山本裕之

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