六次産業について私が不安に思う事

私は六次産業について詳しい内容は知りませんが、農業高校・農業大学出身で農業を行っている沢山の同級生(農業者)を見ていて、もし農家が加工販売まで大々的に行うとなると成果が望めるか疑問です。

農業者がこれを行った場合、はたしてうまくいくのでしょうか?

まずそれを行うにあたり、それなりの設備が必要になります。次に商品開発やパッケージング等、販売についてのノウハウやセンスも必要になります。そして更に加工のための労働力(人件費)も必要になります。

すでにノウハウやセンス、発想がある方の多くは実践してある程度の結果を出しています。このため、大きなリスクを抱えて個人で新規に始めるよりは、農家は生産だけに特化し各地域に季節ごとの収穫物をとりまとめて加工販売を専門とするところへイメージだけを伝え商品化してもらう方が良いのではと考えています。

但し独自のアイディアなどがあり、どうしても自分でやりたいと思う方は別ですが、よく考えてから行動してください。

勿論、現代の私たちの生活では、加工されてあまり手間をかけず食べられる加工食品は必要不可欠な存在です。実際私も加工食品がなくなってしまったら、生活することができません。

しかし、毎日のように食卓に加工の度合いの高い食品ばかり並ぶようになり、それがまるで「人のエサ」のような存在になってしまうのであれば大きな問題です。

季節ごとの作物が本来もつ香りや食感、また見た目などから感じ取れる季節感等、手間ひまや、まごころを込めてしっかりと作られた作物の良さが理解されなくなると、結果として本物の良さをもつものが必要とされなくなる可能性がでてきます。

そうなると良いものを作る人、知る人が少なくなり、これからの農業の発展は望めないでしょう。


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コラム筆者:山本裕之

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