裏と表から自分を考える 文:ちかばの先生 豊川昭雄

私は入部してくる生徒たちに、「世の中は平等ではない」と伝えている。お金持ちで裕福な環境の家庭に生まれ育った子もいれば、家庭の事情により貧しさに苦しむ子もいる。よく人はオギャーと平等に生まれてくると言われますが、生まれたその時から、人のスタート地点は異なっている。私の勤務してきた学校では弓道部の顧問を長年やってきた。インターハイに出る子もいれば、試合に出られずに安土整備(的を据え付けるところ)を務める生徒もいる。いい待遇を受けたければ、這い上がっていくしかない。(持って生まれた物が強く出ると思うが)、あきらめるか、努力するか。人間はその2種類しかいない。

「野球には、裏と表があるでしょ?占いにも陰と陽があり、1日には昼と夜がある。島に行っても裏側と表側があり、台風の時などには良くわかります。人間にも表と裏がある?人が亡くなったら悲しいと思うけど、自分じゃなくて良かったなと思う気持ちもある。それは当然のことだと思う。スポーツのプレーも同じで、いいプレーも悪いプレーもある。そういった両面をわかってこそ、中間を保てるんじゃないのかな?上だけを見ていたら、人間の幅が狭くなると思わないか?「稽古をやり込んだ子でなければ、的前で感情をコントロールできない。経験や裏付けがないと、失敗ばかりを考えてしまう。ミスをして床を殴ったり、怒る子もいるでしょ?その感情をいかに押し殺し、心を落ち着かせ『心を無にして的に矢が当たるイメージができる』かどうか。いわゆる「神」と言われるところに、いかに自分を持っていけるかだと思う。

ある目標に対して先頭を維持できない者達には、トレーニングの知識を学ばせて、後輩の面倒を見させる。選手になれるのは数人だけだけど、それ以外の生徒達にも役割がある。それぞれの目標を達成していけば、腐ることはない。好きでも上手くできないなら、他のことでリーダーシップを取らせてやればいい。格好いい先輩に憧れて、マネージャーになる子もいます。リーダーシップを取る上では、人間性も大切だが、専門知識が大事。目標をクリアーする過程で、誰もが自信をつけていく。指導者は、人それぞれ、子ども達の特性を早く見極めてそれを伸ばしていく事だと私は思う。

花作りと同じです、植物の特性(品種の特性・生育状態・花の色・大きさ・形・肥料や水分の要求量・光・・・・)が良くわかる人、栽培の上手な人、植えるセンスの良い人、鉢選びのうまい人、交配センスの良い人・・様々です。それらをいかに見極めていくかが成功の鍵になるでしょう。それには植物が大好きでなければ思いつきません。こんな花があったらいいなと言う想像力と、実行する行動力、そして結果を見ての反省が無ければ前には進みません。

私は生徒達には将来何になるかを聞く前に、何が好きか?どんな事なら集中できるかを聞きます、スマホやTVゲームではなかなか前には進みませんが、それ以外の興味を将来の仕事に結びつける様に考えさせています。 表は表で裏はうら、うらはみんな知らん顔、大人は立前大好きで、本音はなかなか全然ちっともさっぱり全く違うんだから。大人大人といばるな大人、大人子どものなれの果て。そう言われないような大人になり、そしてその上を行く子どもを育てていきたいと思います。

風は強いが同じ日の島の東側と西側(台風接近の八丈島)


農業の未来を創る農高生たち [1] 〜僕は行きます!〜 文:千葉県立清水高 片山晃熙

農業の未来を創る農高生たち [2] 〜あなたはそれを食べますか?〜 文:千葉県立清水高 逆井柚香

農業の未来を創る農高生たち [3] 〜もったい世の中〜 文:千葉県立清水高 宍倉由貴

農業の未来を創る農高生たち [4] 〜ソーラークッカーのすすめ〜 文:千葉県立清水高 食品科学科 ソーラークッカー研究班

農業の未来を創る農高生たち [5] 〜食品と食生活について〜 文:千葉県立清水高 古谷有生乃

農業の未来を創る農高生たち [6] 〜自分から始めよう〜 文:千葉県立清水高 徳永美登里

農業の未来を創る農高生たち [7] 〜私たちの食生活について〜 文:千葉県立清水高 張替夏海

農業の未来を創る農高生たち [8] 〜環境破壊について考える・・私がこれからやっていくこと〜 文:千葉県立清水高 徳永美登里

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