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二度あることは三度ある!? 文:廣川浩二

大学卒業後は、同級生の西村氏の情報を中心に、もっぱら群馬県の妙義山周辺を尾上氏も加わり3人で行動していたと思います。数多くの美しい花を観察できたことは記憶の宝です。 その一つに、軽井沢近くの温泉を宿にウチョウランを中心に見に行くことになったことがあります。 ここはサスペンス映画の舞台にもなった場所で、昔は多くの宿があったそうですが、崖崩で1件だけになったそうです。当時、お湯は良い泉質でしたが、とにかくぬるかったのを憶えています。 さらにびっくりしたのは、湯船に行く途中のスノコの下に淡水のタイと言われているテラピアがたくさん泳いでいたことです。 夕食時にテラピアの刺身としてだされた時、さすがに抵抗がありました。

そこの宿に泊まってさらに奥の谷へ行くと、崖だらけであり、ウチョウランが着生していました。 崖には雑木が生えていて、登りやすそうに思えました。ただし崖の岩は硬く鋭く、岩をつかむと抜け落ち、足をかけると割れたのを憶えています。用心しながら登り続け、一日ウチョウランを見て過ごしました。 夕方になり、帰ることになりました。 いつも先頭は運動神経抜群の尾上氏です。 そのあとに西村氏、私とついていくかたちです。 尾上氏が下の沢にたどり着いた時、自然なのか誤って2人が落としたのか定かではありませんが、岩が落ちる音がしました。 同時に『アッ!!』という彼の声もしました。 すぐに下の沢に二人ともたどり着くと、頭から血を流した尾上氏がいました。 慌てて止血して車に戻り、すぐに妙義山近くの診療所に向かい診てもらいました。 頭に丸いハゲが出来て、たしか2~3針縫ってもらったと思います。 頭の傷も痛かったと思いますが、首が痛いと言っていました。 岩は誰が落としたのかはわかりませんが、申し訳ない気持ちで東京に帰ったのを憶えています。

一週間後、さらに深い谷を、同じメンバーで見に行くことになりました。 事前の連絡で1回目の教訓として各自ヘルメット着用を提案しました。 向かう当日、2人に会ってみると何も持ってきてないということに呆れました。 仕方なく私だけヘルメットをかぶり3人で同じ場所に向かいました。 山の谷の深いところまで向かい一通り見たので私は帰ろうと思いました。 残りの二人はもう少し見たいとのことでとどまることになりました。 帰るのならヘルメットを貸してくれと言われ、二人のどちらかに渡したと思います。 崖を垂直に降りると、前回同様岩が落ちてくると思った私は斜めにゆっくり下山しました。 下の沢に着いたと同時に、崖から岩が落ちる音がしました。 登った場所から10m以上左に降りたので、私は大丈夫だと思いましたが、なぜかハンドボールぐらいの岩が頭を直撃しました。 『アレッ!!』と思うのと同時に左目に血が流れてきました。 『なぜ!!』と不思議に思いましたが、要するに岩はパチンコの釘のようにあちらこちらに当たって私の頭に落ちたことと悟りました。 すぐに大声で二人を呼び、一週間前に尾上氏を診てもらった診療所へ向かいました。 同じ先生に『またお前たちか!!』と呆れられたのはいうまでもありません。

幸いにも私は縫うこともなく、尾上氏よりは軽い怪我で済みました。 ただ、彼が言っていた首が痛い意味がわかりました。 首の骨が1段なくなったと思いました。 それより、何故せっかく持ってきたヘルメットを二人に貸してしまったんだと後悔しました。頭にネットをした2人を乗せ、3人で東京へ帰りました。

こうなれば、もう一度同じ場所へ行こうということになりました。 ところが、無傷の西村氏が行かないと言い出しました。 その理由は、次は俺が頭に岩が当たる番だというのです。 多少呆れましたが私はそれ以降1回もその場所に行っていません。 出来れば生きている間にもう一度同じメンバーで行ってみたいと思っています。 もちろん私が3人分のヘルメットを用意したいと思います。


イラスト:M.Tajima

コラム筆者:廣川浩二

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