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私の宝探し シコウラン編

シコウラン(C.uraiense 別名B.macraei)

鹿児島県(島しょ)から沖縄県を経て、台湾に至るまで自生する着生ランです。北限の種子島と屋久島に産する集団は、奄美大島以南に自生するものとは差異がみとめられるため、タネガシマシコウラン(Cirrhopetalum uraiense var.tanegashimense)として区別されています。

前川先生は和名の由来について「原色日本のラン」の中で「指甲蘭であると思う」と詳しく解説しています。 自生地でたくさんの株を見て、私は発色のしかたから、紫甲蘭の方がしっくりと当てはまるのではないかと感じていますが、時代的にそういう表現が可能か否かについてはわかりません。

私は過去に鹿児島県(島しょ)から、西表島にかけての4つの島で自生の姿をたくさん見てきました。 そこで感じたことは、自生地の環境がどうのこうのというよりも、シコウランみずからが与えられた条件に適応する姿となり、かなり異なると思われる環境の中に自生しています。 例えば、空中温度が高い川沿いや谷間など、ゆるやかに風が流れるような場所では、樹幹や太めの枝などに、コケ類とともに生えていることが多く、時には、地上20~30cmとかなり地面に近いところや倒木などでも見られることがあります。このような場所に自生しているものは、大きな葉をもち、緑色もきれいでゆったりと育っているものが多く見られます。

シコウラン・奄美大島にて

これに対し、下方からの風のふき上げが強い高所で、霧が毎日のように発生するような場所にもたくさんの株が自生していることがあります。このような場所に自生しているものは、葉は黄ばみが強く、やや小型の肉厚丸葉となり、空中温度が高いためか葉やバルブにまで、地衣類やコケ類が付着し、また強風で周囲の樹木の枝が葉に直接当たるためなのか、傷だらけになりながらも、たくましく生きている株も多く見られます。

ある島では、谷から尾根にかけての高低差200mくらいの範囲に、下から上まで連続してたくさんの株が見られたところがあります。ここの自生地では、山の裏側に位置する谷間にはコケむした大木にゆったりとした大きな葉をもつ個体が、その上部の尾根付近ではかなり低い樹の小枝などに葉が短く肉厚の個体ばかりがたくさんみられました。 花がない時期のその姿は、タネガシマシコウラン発見時の記載とよく似ています。

このように、シコウランの仲間は、環境や与えられた条件により、草姿をかなり変えて自生することから推測すると、タネガシマシコウランでも同様のことから、丸みのある厚葉が特徴とされてしまったのではないかと考えられます。 私が知る範囲では、花色は産地あるいは個体により若干の差がみられます。赤味が少なく緑黄色のものから紫色を帯びるものまでの変化が見られます。 日が強めに当たる場所では、側がく片の外側の紅紫色も強くあらわれる傾向があり、反対にやや暗い場所に自生している株は、淡緑色から淡紫色になる傾向があります。 私が知っている頃にくらべて、森林伐採や採取により、かなり減少していると思われます。それに加えさらに今後は、環境の悪化により、枯死するものも多くなると予想されるため、何らかの対策が必要であると考えています。


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コラム筆者:山本裕之

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