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アサヒエビネ

アサヒエビネ[Calanthe hattorii]

小笠原諸島の父島•兄島に自生するエビネの仲間。 開花期は夏で淡黄色の小花を密につける。文献によっては母島にもあると記されているが、返還後に同島で発見されたとは私は聞いていない。和名は父島の旭山で発見されたことによる。 現在は盗掘により自生の個体はかなり少ないと聞きますが私が父島へ通っていた頃(返還後約10年くらい)は、あちこちで見られ、島の高所を通る車道沿いを歩くだけでも道から見えるくらいのところ(車道から数メートル程度)に5〜10本くらいまとまって自生する姿が、いくつもみられたものです。

アサヒエビネの自生の様子

10株程度が点在して自生するアサヒエビネ(1975年頃の様子)

アサヒエビネの平開咲きのルーツ

アサヒエビネには花が後ろに反るタイプと平開するタイプとの二種類があるという話は学者など一部の人達の間で囁かれていましたが、そのいきさつを詳しく知る人はいません。

私が20代後半の時です。夏咲きエビネの黄色系を作出するためにお使い下さいということで、当時誠文堂新光社を退職されたばかりの羽根井氏(原色日本のラン、ガーデンライフ他、元編集長)が自転車をこいで私の研究室まで一株のアサヒエビネを届けてくれました。よく見ると私が知っているアサヒエビネの花とはかなり異なり花弁、がく片共に後ろに反り返らずに平開している個体でした。その時の羽根井氏の話ではそれは原色日本のランの続編に掲載する目的で神奈川県川崎市の柿生近くの方から分けてもらった株で、先日画家が描き終わったので私にくださるということでした。また、それを育てていた人が言うには以前たくさんのエビネを購入した際にその中に含まれていたものだと話したとも付け加えました。なるほどね…?

アサヒエビネ

アサヒエビネの実生苗 -フラスコ出しすると枯れるのはなぜ?

近年は無菌播種によりたくさんの実生苗が得られているとの事ですが…。以前、フラスコから出すとほとんど全部が枯れてしまうけどその原因がどうしてもわからない、教えてくれませんか?と複数の人からたずねられました。

これについては通常2つの理由が考えられます。 原因の一つとして順化の失敗が考えられますが太くて立派な苗だということなのでおそらくこれではないでしょう。もうひとつの原因としては、エビネの実生ではよくある事ですが自家受粉により得た苗の場合、奇形もしくは外観は正常に見えても性質が極端に弱い、あるいは遺伝的に問題が生ずる事もあります。自生地の様子から推測すると、仮に一カ所に点在する株同士でを交配させた場合、増殖した同個体のかけあわせであることが考えられます。もしこれだったとするとフラスコ内で立派な苗となっていても外へ出せば全て枯れるという現象が多くあるはずです。

発見当時のホシツルラン


コラム筆者:山本裕之

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