English / 日本語

Facebookのアイコン

youtubeのアイコン

sitemap

西表・石垣島探険記 [3] 文:那須陽一

幻のハガクレナガミラン発見

1983年(昭和58年)3月4日朝、みどり荘で2泊した3名(柴田先輩・松永先輩・那須)は、次の目的地である大富に向かった。みどり荘を出発した後、大原を経由し、大富林道に入り、登山道周辺でキャンプするのに都合のよい場所を探した。

途中林道周辺には、コウトウシランやナリヤランの群落が多数見られた。また、林道脇で、トサカメオトランも見つけることができた。 開花時には、花茎が湾曲し、結実すると花茎がまっすぐになる不思議なランだが、まだ花茎は出ていなかった。

林道の左下には、仲間川が流れており、河口周辺のマングローブがとても印象的であった。 徐々に標高が高くなり、河口周辺の景色も雄大になってきた。林道口から1時間程度歩くと、東屋が目に入った。 そこは、仲間川展望台で芝生も植えてあり、東屋もあるので雨もしのげて、テントを張るのには絶好の場所だった。 しかし、すでにテントが一張りあり、先客がいた。そこで、その方に了承を得てそばにテントを張らせていただいた。 テントを張りながら、その方とお話をしたが、とても不思議な方だった。この方とは、後にいろいろな不思議な体験があったので、次回に詳しくお話ししたい。

キャンプの準備も整い、まだ十分な時間もあったので下見に出かけた。キャンプ地から10分程度で登山道の入り口に到着した。途中、ギンネムの林があり、ネムノキの花は、ピンク色が普通だと思っていたが、その花の白さが、何とも不思議だった。 下見のつもりがどんどん縦走道を進み、ついに、大富と古見の分岐点まで来てしまった。左に進むと先日キャンプしていたカンピレーの滝である。結局左にどんどん進み、すでに、下見という状況ではなくなっていた。

ところどころで縦走道から外れ、環境の良さそうな沢に入って調査を繰り返した。その結果、トクサラン、カシノキラン、ナメラサギソウ(写真1)を新たに発見することができた。また、カンピレーの滝周辺で見られたように、イリオモテヒメラン、レンギョウエビネ、カゴメラン、リュウキュウセッコク等が多数見られた。

そろそろ、帰路につく時間になっていたが、木が倒れている沢が有り、気になったのでその木を三人で調査した。朽ちた枝先に、細い花茎を伸ばした今まで見たことがないランを見つけた。私は思わず「柴田さん」と叫んだ。柴田さんと松永さんが、その声に驚き、私のそばに吹っ飛んできた。そのランを前にして、我々三人がそれぞれ頭の中で思い浮かべたランの名前は同じだった。三人がほぼ同時に、「ハガクレナガミラン」と声を発した。(写真2)幻のランと言われているので、我々には見つけることが難しいと考えていたので、大発見で大喜びだった。この感激は、そう簡単に味わえるものではないと強く感じた。三人で記念撮影し、その喜びを写真に納めた。

(写真3)これからの日々が楽しくてたまらないと思える一日となった。 翌日、3月5日朝、三人は昨日の感激が忘れられないのか、早く山に入りたくてウズウズしている感じだった。いつもの朝食をしっかり摂って、ジャングルに分け入った。 この日も昨日に続き幸運だった。まだ見たことのないランの一つであるシコウランを見つけることができたのだ。(写真4)さらにクスクスランの群落、(写真5)生きている木の枝先にしっかり着生しているハガクレナガミランも発見し、(写真6)雰囲気のある自生写真を撮ることができた。

このランは、カシノキランやシコウランなどの着生ランのように、木の幹に着生するのではなく、信じられないくらい細い枝に着生している感じを受けた。 その他、シマシュスラン(写真7)、ヤクシマアカシュスラン、ホザキヒメラン、チケイラン、フタバランも確認することができ、これまでに確認できたランの種類は、26種類となった。とても充実した、感動の連続の一日だった。

写真1 [ナメラサギソウ]

写真2 [ハガクレナガミラン]

写真3 [左から那須、柴田、松永]

写真4 [シコウラン]

写真5 [クスクスラン]

写真6 [ハガクレナガミラン]

写真7 [シマシュスラン]


コラム筆者:那須陽一

「野生のランに魅せられて」へ戻る

「自然人のコラム」へ戻る

ホームへ戻る