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ラン探し中の恐怖体験集 病気編 文:小川豊明

ジャングルや山の奥深くを歩きまわっていると、普通では考えられないような様々な恐怖に遭遇することがしばしばあります。今回からしばらく、そんな私の恐怖体験シリーズです。

「私が体験した風土病とその症状ほか」  最近、ダニにさされることで発症する命にかかわる病気の話をききました。その他にも世の中には色々な病気があります。今回は私が体験した、採取旅行時に発症した珍しい事例について紹介いたしましょう。

①ツツガムシ病

これは以前の話の中に記載しましたが、八丈島での出来事です。 山の中で植物採取をしたり、無人島(八丈小島)などに行ったり、普段人の行かない地域に、進んで突進した場合などにかかる病気です。 乾いた岩や乾燥した草原を長時間歩いたり、岩の上に寝転んだりした場合、最近ではなかなか聞かない「ツツガムシ」やられてしまう場合があります。 この病気は、リケッチアと呼ばれる病原体がツツガムシと呼ばれる赤い色のダニに取り憑いて、そのダニに刺される事で人にうつります。 ダニに刺された箇所に5mm~10mm程の赤く先端の黄色い膿を伴う痼りができ、発熱38度くらい、倦怠感、頭痛、赤い発疹が現れ、節々のリンパ節が腫れていきます。しだいに体が弱っていき、そのまま放置すると死に至る病気です。ダニに刺されてから、5~7日の潜伏期間があるのもこの病気の特徴です。現在の生活環境ではほとんど見られない病気なので、もし感染地域に行った等の心当たりのある場合は、病院の診察時に申告をする事をおすすめします。テトラサイクロン等特効薬があります。しかし当時は法定伝染病に指定されていましたので、隔離入院させられます。

②象皮病(象足病)

この病気も八丈島での出来事です。実際どこで感染したものかはっきりしませんが、島の中?もしくは八丈小島で、やはりダニに刺された事で感染したようです。この時も腹にダニに刺された発疹があり、診療所で特定されました。ダニに刺されてから7日程で、足に違和感が出て、朝起きた時に片足に血が溜まるような、むくむような感覚があり、しだいに怠くなっていき、足が大きく腫れて(むくんで)象の足のように太くなって、歩行困難になっていきます。必ず片足に発症するという事です。日本の奇病のようですが、アフリカにも同様の病気があるようです。現在も伊豆の島に残る風土病です。フラジールという薬剤で治療される様です。

③マラリア

この病気は南アシア地域一帯、特に温暖で水の多い地方に多い病気です。 私は、ネパールの標高400m地域、トリスリバザールで感染しました。この病気は、マラリア原虫を持ったハマダラカに刺される事でうつります。潜伏期間は人により異なり、体力によって違いがあります。私の場合はおおよそ5日?突然の倦怠感、寒気、激しい震え(けいれん)が全身を襲います。熱い地域ですが、とにかく寒くガタガタと震えてしまいます、しかし全身からは大量の汗が噴き出し、体力を消耗していきます。そして脱水状態となり死へと至ります。とにかく蚊にさされないことが第一ですが、現在では特効薬マラロンもあり、早めに診察を受け投薬により完治します。 日本では、戦後南方戦線より復員してきた人が、数ヶ月から数年後に発症した方もいたようで、私の父の兄も昭和22年になってからマラリヤになったようです。

④ジアルジア

この病気はネパールのマナン地方の風土病です。もともとは牛の肝臓内にすむジアルジア原虫が、人の体内に入り込み、激しい腹痛と、水溶性の下痢、吐き気が襲います。特に、おならと下痢は卵の腐敗したような臭いが特徴で、白色の下痢が止まらなくなります。当然脱水症状となり、重症化すると死に至ります。インド製のフラジールという薬で治りますが、副作用の頭痛・倦怠感等があります。免疫は期待できません。不衛生な環境で、肉を切った包丁・まな板で料理を切る等で、家畜→肉→料理→人へとつります。また汚染された水からも感染し、煮沸したお湯であっても、100℃ にならない場合は危険です。 近年、日本でも年間数名の患者報告がありますが、これは汚染地域から持ち込まれた物のようです。

⑤赤痢

インドを旅した時に、あまりの暑さから駅の水道水をつい飲んでしまった、それから4時間後、むかつきが始まり、数時間のうちに激しい腹痛、そして水溶性の下痢と続きます・・・。そして数分おきに襲ってくる腹痛と、血の混ざった下痢と続き、脱水症状と発熱を伴います。赤い血便がポイントです。一般の腹薬では治りません。症状が悪化して、動けなくなる前に、ドクターへかかりましょう。

⑥アメーバー性赤痢

赤痢と似た様な症状ですが、排便に赤黒い粘液が混ざります。赤痢は細菌性ですが、アメーバー性赤痢は、字の通りアメーバーによる病気です。この病気は薬を服用してもなかなか効き目がなく、長引く事があります。私の場合、2ヶ月間苦しみました。

⑦これは病気ではありませんが、山の中を歩いていると良く目につく生き物です。

ムカデ

伊豆諸島の島々の中でも、とりわけ利島に多く、山の比較的湿った木や、山の頂上付近の木に多く成育しています。木に登ろうと木の洞や涸れた皮をむしった場合に出てきます。大きい物では20cm程の大きさで赤い足、黒光りした緑色、頭の赤く大きな牙を持ったヤツが狙っています。刺されると大きく腫れ上がり、場所が悪いと動けなくなります。

ヤマビル

暖かく湿った山に多く繁殖しています。とりわけシカの住む場所に多いような気がします。経験では、千葉県の南部地域、屋久島、三重県の大台ヶ原、の山中でたくさんのヤマビル・ウマビルに遭いました。体温や呼吸による二酸化炭素に反応し、草の中や、木の上からポトッと降ってくます。そして足もとから這い上がってきて、膝のうらや、クツの中などに入り込み、口から血を吸われます。吸い付かれている事に気がつき、むしり取っても、傷口からジクジク血が流れ続けます。どうも、口から血液を凝固させなくする酵素を出しているようです。経験から、ヒルに着かれたら、ライター等で火あぶりにすると ポトッと落ちます。ズボンの中や、柔らかい場所に着かれると悲劇です。

毛虫類

山には様々な虫がいます。中でも毛虫と称される一軍には、痛い物・かゆい物・腫れ上がる物・全身にショック症状を感じる物・・・たくさんいます。見た目にも恐ろしい物も多いですが、小さいからと言って油断できません。椿やサザンカに着くチャドクガの幼虫は5mmほどの大きさながら少し刺されただけで全身に発疹ができ発熱します。また、カキやウメ・クルミ等に着くイラガ は刺された瞬間ビックリするほどの電撃を感じます(別名電気虫)刺されても死にはしませんが、木の上で刺されあまりの痛さに驚いて、木から落ちてはたまりません。

ヘビ

日本に住むヘビのうち、毒のある物はマムシ・ヤマカガシ・ヒメハブ・ハブ・サキシマハブ・ヒュンなどがいます。ヤマカガシをのぞき、(ヤマカガシは毒はとても強いものの、奥歯に毒腺があり、普通の場合は噛まれても毒刃にはやられません)噛まれた場合一刻も早く診療所へ行かなくてはなりません。沖縄県や鹿児島県のハブの成育地では、医療機関に血清があります。慌てずに早く受診しましょう。

イノシシ・クマ・野犬・・・(ネパールではトラ・ジャッカル・サイに出くわした)

山の中で突然出くわしたりします。相手も相当驚いている場合が多く、突進されたり、襲われたりします。ラジオを鳴らしながら歩く、鈴を持って行く等がありますが、防ぎようがない場合もあり、注意が必要です。

単独行動の禁止!

どちらにしても、山・ジャングル・湿地帯・・・・危険がいっぱいです。連絡の取れる範囲内に必ず仲間がいる事をおすすめします。通常の生活範囲から出るわけですから、いつ何が起こるか分かりません。安全第一を心がけ、楽しい旅行にしていかなければ、ガーデンライフも続きませんので、ほどほどに楽しみましょう。


コラム筆者: 小川豊明

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