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びっくりぽん!クロカミラン ひみつの自生地

まだ新幹線が博多まで開通したばかりの頃です。五月の連休と重なり、新幹線の自由席はめちゃくちゃに混んでいて、東京から岡山あたりまではドア近くで立ちんぼでした。後輩の山崎君と私は、とてつもない断崖絶壁にしか自生していないと聞いていたため、40メートルのザイルを2巻きリュックサックに詰め込んでクロカミランの自生地である佐賀県の有田を目指しました。有田へ着くと、すぐに駅前でレンタカーを借り、陶器市が行われてにぎやかう人ごみの中をぬうようにして、黒髪山の方向を目指し車を走らせました。乳待坊岩の少し手前で、下方にお地蔵様が鎮座する高さ40~50メートルの高さの大岩の上を見上げると紫色の花を咲かせるクロカミランがポツリポツリと目にとまりました。初めて見る自生地です。少し上の乳待坊あたりまで進み、右手の方角に目をやると、崖の途中には… 長いロープを使ってぶら下がる先客がいました。この日私達がクロカミランを見つけた場所はいずれも想像したとおりのところでした。この日は、昨年ここを訪れた知り合いの紹介で、クロカミランの趣味家が経営する小さな宿に泊まることにしました。

夜、宿のおかみさんに今日の出来事を話すと、自分の知り合いに自生地の案内をしてもらえるように頼んでくれるという事でした。次の日、黒髪山へ行くと信じていた私達はとても驚かされました。それというのも、向かったのは黒髪山とは反対の方向にある長崎県の波佐見町に近い場所で、世間で知られていた自生地からはかなり離れていました。案内の方が言うには、昨年その場所を見つけた時は誰にも荒らされることがなく崖一面に咲いていたということです。しかし、何人かに話したためか?私たちが行った時にはすでに採られていて、かなり高いところにポツポツと見られる程度でした。次に向かったのは柿右衛門窯に近い神社の裏にある小さな崖でした。他にも駅から線路を越えたところの裏山や、町役場の目の前の岩などにも案内してくれました。ちなみにクロカミランでは珍しい無点花‘筑紫水晶’はこの場所で見つかったということです。

クロカミラン (Ponerorchis) - Ranyuen
クロカミラン

この時、案内してくれた場所はどこも知られているクロカミランの自生地からはかなり離れていて、以前に、鈴木吉五郎氏から聞いて思い描いていたクロカミランの自生地とはかなり異なるものでした。蛇の道は蛇、地元の愛好家はクロカミランが生えているところをよく知っていました。これを含めて私は「5回」ほど現地に行きましたが、クロカミランを採りに行ったわけではないので「誤解」なさらないでください。


コラム筆者:山本裕之

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