ニューボランティア、農業への応用は ?

自分のためのボランティア

ボランティアという言葉をきくと、かなり多くの方が「奉仕活動?」ととらえることと思います。

例えば、私のところに来る学生アルバイトの中には、ボランティアが授業の一環として組み込まれているところもあるようです。つまり、自分から進んでというよりかは、半ば義務的にやらされているように感じます。

ボランティアは人のため、社会のための奉仕活動、ではなく、実は自分に多くのプラスな事を与えてくれる活動なのではないでしょうか。普段の生活では出会えない人と知り合い、自分が知らなかった事も教えてもらうことができ、様々な体験ができる機会を与えてもらえる活動、と私は考えています。しかもタダで! このように、自分のためになるボランティアが「ニューボランティア」という考え方です。 3つの年齢層の方にわけて活用法を考えてみました。

  • 主にシニアとよばれている退職後の世代
  • 子育て世代といわれる幼年~高校生程度の子供達を育てている世代
  • 主に教育や介護などを学ぶ大学や専門学校などに通う世代

いずれの場合も、仕組み次第で知恵や道徳など、参加する事で普段の生活では出来ないような様々な事柄を学ぶことが可能になります。

私は長い間、たくさんのお客様を見ていて感じていることがあります。それは、企業、あるいは公務員として現役時代にはかなり優秀な方たちでも、仕事をやめて数年のうちに、急に体を悪くしてしまったり、頭の回転もおとろえてしまう方も多いということです。年をとって活動範囲が狭くなり体や頭を使うことが減少し、しょっちゅう具合が悪くなる人もたくさん見ています。ニューボランティアにより適度な運動と頭を使う事で、健康を保つことができると考えています。さらに、子供達と交流することによってパワーをもらうこともでき、それによって活力や生きがいになり、元気でいることも可能になります。
結果、具合の悪くなる方も減少する、それは何よりも自分のためになるのではと考えています。 また、子供たちにとっても、経験豊富な(物知りの)おじいさんおばあさん達から知恵の他多くのことを教えてもらうことができ、良い教育の場となるのではと考えています。

他にも、教育や介護など、他者と密接な関係をもつ職業を希望する若者にとって、人とふれあい相手に喜んでもらうことの嬉しさを経験し、学ぶ場として等、応用次第でニューボランティアにはたくさんの可能性があります。

数年前、市の上役に子育てや里山の保全などにボランティアを活用してみてはどうか、と話したことがあります。この時、すでに私の頭の中にはニューボランティアという考えが出来ていました。そして、それを市が行えば、その考え方を浸透させるのはたやすいだろうと考えていました。しかし、どうも私の考えは正しく通じなかったようです。

行政が沢山の種類のボランティアを用意して、その中からみんなが自分の好きなものを選んで楽しく活動する、やってあげるのではなく喜んでやる。考え方を変えればボランティアは自分のため。このように捉えれば、ボランティアに参加する人も増え、社会がより発展していく可能性があると考えています。

大きな事故やトラブルがないように、そのシステムを考えるのは役所の仕事でありいずれ農業にも活用できれば嬉しいと考えています。


コラム筆者:山本裕之

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