子育てのお話 [1]

小さいうちにフォームを作る

 親が子どもにしてやるべき最も大切なことは何かを考えてみませんか?

 私は、それはフォームを作ることだと思います。フォーム?なにそれ?と思うことでしょう。「フォーム」言い方を変えれば大人になって社会に出た時、自分で考え、自分で解決し、成長することができる力を持つための基礎となるスタイルのことです。

 フォームについては親の経験や考え方、その子の向き不向きなどの違いにより、こうでなければいけないという明確なきまりはなく、指導者の判断により異なりますが、その中ですべての子に共通して言えることは、一生懸命にやる習慣を持たせることだと思います。

 私のところには、たくさんの学生たちがアルバイトとしてやってきます。彼らが社会に出た後も成長しつづけてほしいとの想いから、自分の経験から学んだ多くのことを話すだけでなく、彼らが自分自身で考えて行動することを期待して多くの提案もします。それらはいずれも彼らがそれぞれ学業として学んでいる専門分野で、考えて行動に移せばできることです。これにすぐに反応し、素直に受け入れ、理解し行動に移す子もいます。一方で、私の言葉に無関心で受け入れようともしない、つまりその気がない子や、頭では理解しているようでもいつまで経っても実行しない子もいます。

 このような差はフォームの違いによるものだろうと考えています。私が思うに、フォームはすでに小学生の頃にはかなりのところまで出来上がっています。だからいくら私がいろいろなことにチャレンジさせてその力を伸ばそうと思っても、自分で考え一生懸命にやるというフォームを持たない子を大きく伸ばすことは難しいと考えています。

 植物に例えると、フォームは根であり、小さい頃にしっかりとした良い根=基礎的スタイルが作られた子どもは放っておいても自ら育ちます。そして枝葉を茂らせ、花を咲かせ、やがて実を結ぶものと考えています。

 小さい頃にしっかりとしたフォーム=根を作る、これこそが親が子どもにしてあげる最も大切なことだと考えています。


「宙から見れば」へ戻る

「自然人のコラム」へ戻る

ホームへ戻る