開花調節

ラン展などで開花させる方法

ウチョウランは初夏の頃 (5~7月) に開花するのが普通で、通常の栽培では2月に咲かせることは至難の技です。私は20数年前、初春に毎年東京ドームで開催されるラン展で開花させようと思い、いろいろな実験をし、異なる2つの開花調節方法を開発しました。この方法により世界的なラン展 (東京、名古屋) などでも、花を咲かせたウチョウランの展示が出来るようになりました。その結果、ウチョウランを使った展示でも出展するたびに最優秀賞になれ、多くの人達が知るランへと発展しています。

私が開発し、ラン展の主催者展示で行った方法及び出展のたびに最優秀賞になる武井氏 (群馬県からの出展) に教えた開花調節の方法を2つ紹介します。上手に咲かせたウチョウランがラン展などに多く出品されることを願っています。

促成栽培

開花したウチョウランを夏期、川辺や山の高所など冷涼な場所で栽培します。涼しい場所では新球の形成がスムーズに行われるため、平地よりも早く充実した球根に成長します。また早く寒さにあたることで、茎葉の枯れも早くなり、これにより休眠入りの時期も前倒しになります。地上部が枯れた以後も、ひき続き寒い場所へおき、充分な休眠を与えます。開花に必要な休眠期間を過ぎた球根は、その後、暖かい場所へ置くと萌芽し、やがて開花します。

抑制栽培

本来ならば春に芽が出て、初夏に開花するウチョウランですが、萌芽前の冬期、掘り上げた球根あるいは掘り上げずに鉢のままの状態で、冷蔵庫 (0~2℃) におさめ、秋までねむらせておきます。冷蔵庫から出せば、いつでも開花させられます。

この方法では促成栽培より、早い時期に開花させることが可能で、1~2月に行われるラン展で咲かせることもできます。

促成 / 抑制、両者とも開花に必要な休眠が得られた球根であることを条件に、植え付け後15~25℃の温度が保てる場所に置き充分に灌水します。種類や休眠の条件の違いにより開花までの期間は異なるため、いちがいには言えませんが、仮にクロシオチドリと呼ばれるウチョウランでは12月末頃には必要な休眠が得られ20℃程度の場所に置くと、萌芽後40~50日くらいで開花します。他のウチョウランでは萌芽後60~70日くらいで開花に至ります。

注意: 促成栽培では休眠期間の不足で上手に咲かないことがあるため、個々の種類で試してから行って下さい。


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