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マツゲカヤラン メモリー

マツゲカヤランをご存知でしょうか。長いあいだ幻のランと呼ばれていた希少種です。このランについて世間では2006年に60年ぶりに再び発見されたと思われていますが、実はそれよりもかなり以前に私たちは屋久島でこのランと出会っていました。「自然と野生ラン 1988年10月号 」に掲載された記事をご紹介します。1984年再発見時の記録は筑波の橋本保博士のところに残されていると思います。興味のある方は探してみてください。

マツゲカヤラン(Gastrochilus ciliaris F.Maekawa)

 以前一度だけ発見され長いあいだ幻といわれていた屋久島産の野生ランである。

 発見者の話によれば、島の南部を流れる川の中に木の枝についたまま流されていたものを発見し命名したというものであり、発見した本人も詳しいことは、だれにも話さないまま他界してしまった。したがって、はっきりとした自生場所はだれも知らないという、まさしく幻というにふさわしいラン科植物であった。

 命名の由来は、唇弁の周辺部に細かい毛があるというので、これをまつげに見たててマツゲカヤランと名づけたという。

 写真は1984年、千葉野生ラン研究会と東京農大野生ラン研究会の合同調査の際に、私が発見した十数個体のうち標本として持ち帰った1個体を栽培し開花させたものだが、ある程度の数の個体を観察すると発見時の種としての記録のはばをこえるものもかなりあることがわかってきた。記録ではガク片の外側にのみ紫斑ありとされているが、写真の個体は内側にも紫斑がみられる。

 開花期は秋。数年前、標本として学者、関係者ら数人の手に渡っているので詳しいことは近いうちに発表になることだろう。

解説:山本裕之 自然と野生ラン 1988年10月号より


コラム筆者:山本裕之

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