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コノヤロウヘビめ!

 今から40年くらい前、私が大学生だった頃の出来事です。当時の千葉県房総半島には今のように高速道路がなかったため、国道は常に渋滞していました。また、狭くて曲がりくねった一般道は走りにくく、スピードを出すことが出来ないため、自宅からアワチドリが自生する房総丘陵までは3時間以上を要しました。しかし、バイクなら渋滞で停車している車の脇をすり抜けて走ればおよそ半分の時間で目的地へ行くことができます。そんなわけで当時アワチドリに夢中にだった私は、それを探しに行くために、悪路に強いオフロードタイプのバイク、ハスラー250ccを買ったのです。(ちなみにこれは私が乗り回した7台目、最後のバイクです。)

 それ以来、天気のいい日にはこのバイクを飛ばし、自宅のある稲毛から房総丘陵のアワチドリの自生地までたびたび通っていました。

 7月上旬のある日、ピンク色や白紫点、八重咲、一枚舌など、様々なバラエティに富むアワチドリが発見されたことで愛好家の間で知られていた元清澄山近くの大きな崖に向かうためにバイクをとばしていました。

 最近、巷で話題になっている滝の近くから林道に入り、沢沿いのデコボコ道でガタガタと身体を揺らし、大きな石をよけるようにハンドルを切りながら走っていました。

小さな橋を渡り、岩をくりぬいただけのトンネルをくぐってしばらく進み、やっと車が一台通れるくらいの、下り坂のカーブに差し掛かった時です。道脇の草むらから、超どでかいアオダイショウが、スルスルと私のすぐ目の前に出てきて、2m以上する身体をいっぱいに伸ばし道の端から端までふさいでしまったのです。とっさにブレーキを踏み、ハンドルを切った私は、ズズズズズゥーーッ!そのままスッテンコロリン、「イテテテテー!」ヒジもヒザもすり傷だらけ…あまりのショックでしばらくは立ち上がることができず、傷だらけの手足をさすりながら、ただしばらくの間呆然としていました。ああ、踏み殺さなくてよかった。このやろうヘビめ!!

 肝心のアワチドリはというと、林道のどんずまりの崖に、大きく立派な株が何十本も生えているのをみつけました。ちなみにこのあたりアワチドリは、採取により数を減らし、さらに開発が進み、残念ですが現在ではほとんど見ることができません。


コラム筆者:山本裕之

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