欲深草にご用心
筆者:花咲か爺さん
昔から「花が好きな人に悪い人はいない」と言われていますが、みなさんはどう思いますか? 私は、趣味で植物を育てている人の中には外見は同じ花好きのように見えても中身は全く違う2種類の花好きがいて、真の植物大好き「人善草(ひとよさそう)」と、花よりお金大好きな「欲深草(よくふかそう)」がいると考えています。
花を育てるのが心から好きで、成長する姿を見るととても嬉しい、咲いてくれるとなお嬉しい、それを見た人たちが喜んでくれるのはもっと嬉しい等の理由で、色々な植物を育て自分で楽しむだけでなく、周囲からも見てもらえるような育て方をしている人は、おそらく花だけでなく他者に対しても優しい人が多いと思います。
これとは別に、たくさんの植物を栽培していて、一見同じ花好きのように見えるけれど、よく見ると特定の植物、たとえば私の専門のウチョウランやエビネ、その他珍奇植物など、ある限られた種類だけを収集し育てていて他の植物には興味がないという愛好家の中には、必ずしも花が好きで育てているのではない人も少なからずいます。例えば同一品種ばかりをたくさん増やして持っている。あるいは展示会等で賞をとりたい、その他純粋に育てることを楽しむのではなく、増やして儲けるつもりで栽培している人も多くいます。(ただし色々な植物を育てた結果、現在それにいきついたという極め人は除く)
つまり植物を育てるために、お金や労力を使うのではなく、自分の利益のために利用するだけで実は植物よりもお金の方が好きという愛好家が少なからずいるのも事実です。
このような人たちは、人間関係よりも自分の利益を優先させるため、仲間や花好きを騙して嫌な思いをさせても罪悪感は抱きません。私はこのように愛好家が趣味といいながら法外な値段で売るために育てた植物を「儲かり草(もうかりそう)」、そのような愛好家を「欲深草(よくふかそう)」と称してなるべく関わらないように心がけています。
花好き=「人善草(ひとよさそう)」と思い近づいた結果嫌な思いをしないためにも、すぐに深入りすることはせず、しばらくは離れたところから様子をみて、もし相手が金銭のことばかり口にするような場合は「欲深草」と考えて関わらないことが無難です。