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私の宝探し ハハジマホザキラン編

ハハジマホザキラン(Malaxis hahajimensis)

ハハジマホザキランは現在世界に50株未満しか自生していないと言われる極めて希少なランです。

ハハジマホザキランの自生の様子

1977年、私がまだ大学一年生の時です。神津、小清水、大森さんら3人の先輩に連れられて、母島を初めて訪れました。

数日間に渡り、山中を歩き回り、野生ランの他にも先輩達が得意とするコブランやヒメタニワタリなど希少なシダ類も見ることができ、よい勉強になった旅でした。 帰りに返還後、島へ戻り暮らしている内藤さんから「典(テン)ちゃんが、自分の畑の裏山で見つけたのだが名前がわからないので調べてほしい」ということで、一株のランを手渡されました。 東京へ帰り、すぐに進化研の前川先生に同定をお願いしたところ、数日してシマホザキランとの解答をいただきました。 実は、私は固有種といわれる幻のリパリス、シマクモキリソウをどうしても見たくて、その後も何回も島を訪れました。

大森先輩とその後新種となったモクズガニ

ある日の事、幽霊谷(私たちが過去に恐怖体験をしたためこう呼んでいる)の山中を散策していると、尾根付近の小高い場所にそのランが十数株、固まってあるのを発見しました。それはあたかも、私の方を見て笑っているかのように感じました。葉の照り方がそう感じさせたのか、株の並び方が独特だったのか、それとも私がそれを見つけられた事がうれしかったせいなのか、なぜ笑っているかのように見えたかの理由は未だにわかりません。 ここはかなり複雑な地形をしていて、この場所がどのあたりなのかを詳しく把握しなければ、再びここへ来ることはできないと思い、とりあえず下方にあるはずの林道を目指し、ほぼ真っ直ぐに斜面を降りていくことにしました。しばらく下った所で以前、内藤さんがテンちゃんの畑の裏と表現した自生地はこの場所を指しているのだろうと直感しました。なぜならば、そこは畑というには程遠い、かなり荒れた草むらの中に、母島には自生しないはずの観葉植物がいくつか点在していたからです。 それからしばらくの年月が経過した頃、小笠原諸島の母島で新種のランが発見され、和名をハハジマホザキランとしたという情報が写真とともに伝えられました。 何とそれはまさしくテンちゃんが自分の畑の裏で見つけた、そしてその後に私も自生場所を探し当てたあのランそのものだったのです。

命名前のハハジマホザキラン(内藤氏の栽培株)

コブラン

*この件について私なりに補足すると、前川先生が生標本を見て、新種である事に気付かなかったのではなく、先生は分類上「シマホザキランでよし」と考えた事が推測されます。 植物の分類は、あくまでも人が行うものであり、植物自身が分類するのではありません。このため、その時々の学者の判断により分類が異なることや、また変更されるようなこともよくあります。つまりこの時、前川先生の見解は、新種ではなくシマホザキランの範中として、あえて新種として扱わなかったのでは?と考えられます。


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コラム筆者:山本裕之

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