夢のある農業 ~ はじめに ~

夢のある農業

私はもともと農家の出身ではなく、農大卒業後に小さな農園を始め、その後個人農業資格、更に法人農業資格を取得しベンチャーとして、千葉市で30年以上にわたりランの育種、研究農園を経営しています。現在は自社で開発したランの品種群を国内だけではなく海外にも販売しています。

今の日本の農業にはさまざまな問題があり、明るい未来は無いだろうと考えている人がたくさんいます。

本当に、そうなのでしょうか?

確かに、日本の農業全体が抱えている問題はあまりにも大きすぎて現時点でそれらの多くを解決するのはだれが考えても難しいのはあきらかです。

しかし、日本全体の農業ではなく、個人レベルでの農業のみを考える場合は楽しいことがたくさんある夢に満ちあふれるものだと私は考えています。

単なる産業としての農業ではなく、従来とは違う視点(考え方を変えてみれば)から農業をとらえてみると、限りない可能性と将来性を合わせ持つ素晴らしい業種だと思います。

日本で農業に従事する人たちや、これから農業を始めたいと考えている方が将来、心豊かで充実した生活が送ることができるようにとの願いから、少しずつですがいろいろな提案をしていきたいと思います。

農業は最高の仕事!

農業はこの上がないくらいに素晴らしい仕事です。

その理由は、かなり多くの事柄において人に命令されることなく好きなようになんでも自由に行えるからです(ただし自分の責任において)。しかも、それを始めるにあたりあまり多くの資金を必要としません。更には、自然の中の一員として人として知るべき大切なたくさんの物事を職業を通じて学ぶ事もでき、仕事を続けている限り自分自身を成長させることが出来ます。また、農業経営者には定年がありません。このためサラリーマンとは違い年をとっても自分の体力にあわせて適度に働き、身体と頭を使うことでボケ等の防止にもなり健康を維持することも可能です。私たち人間にとって農業ほど素晴らしい職業は他にはありません。

私の住む町(都市近郊)の現状

このように農業は考え方しだいでは素晴らしい仕事であるにもかからわず、残念ながら実際は担い手不足や従事者の高齢化やそれにともなった農地の荒廃など多くの問題を抱えており、いわゆる耕作放棄地と称する土地が急増しているのが現状です。特に生産性の低い農地ではその度合いはかなりひどく、改善する有効な手だてを見いだせないまま悪化の一途をたどっています。

従事者(担い手)や耕作放棄地の問題を短期間にまとめて解決することは、よほどのことがない限り無理ですが、徐々に改善し現状よりも良い方向へ進めるための色々な案を今後提案していくつもりです。

農業を二分する

農業を二つにわけて考えることで、現在の日本の農業の問題のかなり多くが解決できると考えています。ひとつは、農地を集約して大規模化を目指す等、収益を目的とする農業。そしてもう一つは、単に利益を追求するのではなく、社会貢献や哲学的な考えのもと農業者が自信をもって仕事ができるような農業。言うなれば、「こころの時代の農業」です。これが出来れば現状のままでもある程度のところまでは成立する可能性があると思います。そしてそれがくる時期はそう遠くないと考えています。

これについてはまた別のところで詳しく説明していきたいと思います。


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コラム筆者:山本裕之

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