プラントハンターアジアへ行く! ポカラ周辺編 文:小川豊明

このコラムは、著者が約35年前ネパールを訪れた時のことを書き綴ったコラムです。そのネパールで2015年4月25日で未曾有の大震災が発生しました。大震災の被害に被られた方々に深くお見舞い申し上げます。また命を落とされた多くの方に心から哀悼の意を表します。震災の被害に被られた方々に一刻も早く笑顔がある生活が戻るようお祈りしております。

ネパール探訪1986年5月~87年2月

カトマンドウ近郊の街で2ヶ月ほど研修の後、カトマンドウからポカラまで路線バスに乗っていました。3日で1往復週2便、出発はそれぞれ夕方、深夜です。なぜかというと熱帯地域を走るのに、エアコンがないのです。218kmの道のりを15時間かけ、ガードレールも無い一車線の峠をいくつも越えての運行でした。 途中ムグリンという宿場町で1時間ほど夜食タイム。タイヤをいくつも積んで、交換しながらの深夜営業。厳しい仕事でしたが、その分昼間はフリータイムであちこち出かけられました。

危ない峠の国道
ムグリンの宿場

ある日、ゴルカへ通じる分岐点の村で、停車したらエンジンも停止、始動しようとしてもどうにも動きません。夜の街道で乗客は満員、電話も当然無く、後から来るバスに頼むか、朝まで待ってもらうしかありません。結局乗客は後ろから来た別の会社のバスに乗ってもらい、私だけ修理屋さんを待っていた事がありました。その村は日中38℃程になるところでバスの中にはとうてい居られません。仕方なく付近の山に入ると・・・・ありました。大きな切り株や、大木の幹にシンビジュームが着生していて茶褐色の花を咲かせていました。またセロジネのような蘭があちこちの岩に繁茂していました。

シンビジュームの一種
セロジネのような蘭
故障中のバス

ポカラの町は、外国人の観光客に人気のレイクサイド、ペワ湖という湖の街。マチャプチャレ、アンナプールナヒマール等8000m級の山々に程近く、トレッカー達の集う街です。

マチャプチャレとペワ湖

私が滞在していた宿舎のすぐ前には、ペワ湖が広がり朝夕は涼しいところでした。 ある日、ボートで対岸のジャングルに行きました。そこは地元の人でも入らないヘビ山という場所で、毒蛇が居るから行かない方が良いと言われていたところでした。手こぎのボートで湖を横断していると、警備の兵士にメガホンで注意されましたが、ここは無視! のんびりと対岸へたどり着きました。湿度・温度とも申し分ありません。木々もさすがに茂っています。

ペワ湖を渡る

山からの帰り、手こぎのボートに水牛(ゼブー)が寄ってきて船べりにアゴを乗せられ見事転覆!ここでまたまたカメラ破損!写真の色が悪いのはそのせいであります。

船を転覆させたゼブー

最近ネパールで未曾有の大災害がありました。亡くなった方々のご冥福をお祈りすると同­時に早期の復興と発展を願っています。 私は1986年~87年、昭和の終わり頃、ランの勉強のためにネパールに長期滞在して­いたことがあります。当時私が撮ったネパールの写真を、その時よく聞いていた現地の音­楽にのせてスライドショーにしました。古き良き時代のネパールの生活や現地のランをご­覧ください。また、被災地に対して自分たちが出来る事も考えていただければ幸いです。


コラム筆者:小川豊明

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