夢ちどり
夢ちどりは、丈夫でカラフル、そしてとことん可愛いランを目標に、アワチドリ・サツマチドリ・ウチョウランなどをもとに品種改良した、ウチョウランの仲間の園芸品種群です。
山野草のウチョウランとは違い、暑さ・寒さに強く、さらにたくさんの花を長い間咲かせるという特長があります。
※ウチョウランの種類について詳しく解説していますのでこちらもご覧ください → ウチョウランの種類
可憐なランに魅せられて
今から40年以上前、昭和の頃の話です。世界で千葉県にだけ自生する“アワチドリ”という可憐な花にすっかり心を奪われてしまった一人の青年がいました。彼は、来る日も来る日も毎日のように、ランのことだけを考えて過ごしていました。そして、いつの日か故郷(千葉県)の小さな草“アワチドリ”を世界で一番キュートなランにしたいとの想いから、全力で育種に取り組みました。そして40年以上が過ぎた今、妖精のような姿をしたキュートなミニラン、“夢ちどり”に至っています。
これから先も、たくさんの人々の心をなごませ、そして癒し、笑顔にできるようなかわいいランを目指して改良を続けていきます。 まだまだ改良の途中ですが、私の作品 “夢ちどり” で、見る方の心をなごませることができれば嬉しいです。
~ 花言葉 ~
願い、おだやか、幸せを運ぶ千の鳥
「 夢ちどり」誕生の秘話
今から25年ほど前、強健・多花性で原種よりも変化のある園芸種を作るために、種内交配だけではなく、アワチドリ、サツマチドリ、ウチョウラン等を交配親に使用した種間交配も行なうようになりました。様々な交配種が開花してくると、その中で特にアワチドリとサツマチドリの交雑では、花の特徴がアワチドリに良く似ているものが多く現れ、このままいくと1~2世代後にはアワチドリとそっくりな雑種が多くでき、純粋なアワチドリ(原種)との区別は難しくなり、混乱が生じると直感的に分かりました。その頃はまだ花卉類の商標登録はほとんど見られませんでしたが、純粋種と交配種を区別し、将来予想される混乱をさけるために、蘭裕園が作出した交配種に対してあえて「夢ちどり」という名称をつけ、特許庁に登録し、アワチドリ、サツマチドリ、ウチョウラン他の原種と区別するようにしました。 このようにして誕生したのが夢ちどりですが、原種からの交配の経緯は現在まで全て記録が残され、ポネロルキス(ウチョウランの仲間)の新しい交配種として知られています。