遺伝と移伝

 遺伝とは、顔や姿などの外見や性格その他、さまざまな事柄が親から子、子から孫、更に子孫へと遺伝子を通じて伝わる現象です。
 しかし、外観・性格その他の形質は両親の組み合わせによっては必ずしも子供に伝わるというものではなく、時には何世代も後になって現れることもあります。

 これとは別に、遺伝子を介さずに子孫へと伝わるもうひとつの「いでん」=移伝もあると私は考えています。
 それは遺伝子による生まれ持った、すなわち先天的な遺伝とは異なり、性格や行動などが親あるいは周囲の人の影響を受けて似る、後天的に伝染するような移伝です。

 移伝は、遺伝子による遺伝とは異なるため、例えば我が子に伝えたいこと、逆に伝えたくないことを選択するのも可能です。そのため、伝える側がきちんと考えて行動することにより、良いところは移伝させ、悪いところは移伝させないというように、伝わらせたい事柄だけを選択して移伝させることもできます。

 移伝は遺伝子による遺伝よりも強く伝わることが多く、怖いのは悪き事柄が親から子、更に孫へと伝染していくことで、その家系の因果となってしまうことです。
 このため、あきらかにマイナスの要因と思われる事柄はできる限り自分の世代で食い止め、次世代へと移伝させないことが大切です。

 いずれにしても子は親の背中を見て育つと言われている通り、小さい頃にはすでにかなり多くのことが移伝してしまうため、悪い手本にならないよう注意が必要です。
 家系の良いところ悪いところのどちらを子孫へと伝達させる、させないはあなた次第です。


「宙から見れば」へ戻る

「自然人のコラム」へ戻る

ホームへ戻る