農業の未来を創る農高生たち [8] 〜環境破壊について考える・・私がこれからやっていくこと〜
千葉県立清水高 食品科学科 徳永美登里

山みどり 川清し 黒潮は父なる恵み 大利根は母なる流れ 菜の花の 輝く大地 うるわし郷土 わが千葉県

これは千葉県民歌2番の歌詞です。美しい千葉がうかがえます。現在の環境問題が生まれる前の美しい千葉の様子です。「環境破壊」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?私はまず、過度の森林伐採や工業の発展による大気汚染、または河川や海洋の汚れを思い浮かべます。 その中でも私が気になっているものは、水質の汚濁や汚染です。そのわけは私の住む千葉県の北西地域にある「手賀沼」や 「江戸川」の汚れです。近隣の農家のお爺さん達の話では、昔は川や沼の底までよく見えた事や、夏になると村の子供達で泳いで遊んだこと、底が砂だったことをよく聞きます。現在の様子からは「そんなの絶対にウソだ」とまで思います。テレビのニュースでは、毎年夏になると手賀沼の水質汚染によって、アオコが大量に発生し、そのため酸素が欠乏して魚が大量に死んだり、地域全体がヘドロ特有の悪臭を放ったりしています。

そこで私はその原因について考えてみました。たとえば、私たちの生活の中で毎日食べている味噌汁を例にしてみましょう。全部食べればまだ良しとして、食べ残しが出るとします、それは家庭の流し台から、下水道へ流れていきます。東京などの大都市ならばともかく、地方の町では簡単な下水処理の施設しかなかったり、農村部では家庭の汚水はそのまま自然に流されます。河川を通り味噌汁は川や沼を汚していきます。そして最後には地球最大のゴミ捨て場でもある海へと流れていきます。 人間が狭い地域にたくさんいるだけで、環境はどんどん破壊されていきます。飲み物や食べ物を残したり、生活していく中で必ず出てくるゴミの処理、これを何とかしないと、私たちのこれからはどんどんと厳しいものになっていくと思います。

私たちは、教室に水槽を置き金魚を飼っていました。ある日小さな子供達が生まれ、私たちは喜んでたくさんのエサを与えました。しばらくするとエサの食べ残しから、水槽の水が濁ってきて、稚魚たちは元気がなくなり、しばらくすると水槽の魚全体が病気になったり死んでしまいました。目で見て、しかもとても身近な水質汚染の現実でした。私たちは泣く泣く水槽の水を取り替え、魚たちの小さな世界を掃除しました。教室中が手賀沼の匂いでいっぱいになりました。

たまたま体験した、教室の水槽事件のことから、私たちのクラスでは生活環境についてを考え、これから私たちが出来ること、やって行かなくてはならないことを話し合いました。 毎年この意見発表の場で、各学校の代表者が、環境について・改善策・地域での実際・・・と続く発表をしていますが、考えるだけ、思うだけでは地域環境は良くなりません。生活している一人一人が自覚を持ち、自分の街をきれいにし、日本を長生きさせて行かなくては金魚の水槽と同じになってしまい、その内この町には住めないようなことになってしまうことと思います。

水質汚染対策は絶対に家庭から、この信念を守ればこれからの生活に少しでも役立つことと思い、当たり前事ですが家庭ゴミの分別収集、空き缶やビニールの散乱防止、ゴミ拾いの率先、地域ぐるみでのボランティア活動の義務化を地域自治会や行政から、進んで行う街作りを行っていかないと、現在の国民のような、国任せの生活になり、問題が起これば国の責任にするような環境意識の低い民族になってしまい、教室の水槽の金魚になることは間違いないでしょう。行政は水質汚濁を少しでも少なくすように、監視機関を充実させ、また下水道の完備に力を注ぎ、私たち住民は、少しでも環境の悪化を減らすために日々努力することが将来永劫この国で暮らしていくたの道だと思います。 私は、生徒会にこの考えを伝え、学校ぐるみで率先し実践して行きたいと思います。そしてこの学校を巣立ってゆく者から日本を住みやすい国にしていこうと考えます。


農業の未来を創る農高生たち [1] 〜僕は行きます!〜 文 : 千葉県立清水高 片山晃熙

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